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外国人との運転免許問題

ポール・フィオラヴァンティ

 数月前、日本の道路交通法が改正されました。これにより、日本に住んでいる外国人は全員、日本の運転免許を手に入れなければならなくなりました。高知県内に住んでいる外国人にとって、特に田舎に住んでいる人たち、または、日本と違うレーンで通行する国から来た人たちには大変不便なことになりました。もし左側通行する国(例えばイギリスやオーストラリア)から来た人なら、日本運転免許証を取るための試験を免除されます。しかし、右側通行する国(例えばアメリカやカナダ)から来た人なら、筆記試験と実技試験を受けて合格しなければなりません。しかも、自分の国で運転免許を取ったのが日本に来る3ヶ月以内なら、国にかかわらず、国際運転免許証が満了(日本入国後1年間)してから、筆記試験と実技試験に合格して、更に自動車学校のレッスンも受けなければなりません。

 私はオーストラリア人ですので、日本の運転免許証はかなりスムーズに取れ、伊野町の運転免許センターに2回行くだけでした。1回目はコピーをするための書類を持っていきました。それはおやすいご用だったのですが、なぜ事務所に自分で書類をコピーしてファックスで送ることができないのかとか、なぜ書類を渡す予約を県内に住んでいる他の外国人と同時にさせられる必要があったのかとか、まだ当惑しています。2回目は写真撮られて、視力検査をされ、ティーンエイジャーと一緒に運転について講義を聞かせられました。それはスムーズにいきましたけれど、1日もかけるなら、なぜ前回一回でできなかったかなと思いました。

 他の外国人の経験と比べて私はまだましな方だとは思いつつ、8年間も運転していましたから極めて残念な経験でした。そして、オーストラリアなら私と同じような状態にいる日本人に同じことをするだろうか、と思ったので聞いてみました。南オーストラリア州交通省によると:

訪問者として南オーストラリア州にいる限り、また、自分の国の運転免許が有効な限り、自分の国の運転免許証で運転できます。もし運転免許証が英語で書かれていないなら、国際運転免許(本国発行)か英語翻訳を運転中携帯しなければなりません。もし訪問途中で永住者になれば、3ヶ月以内に南オーストラリア州運転免許を取らなければなりません。」

 つまり日本人の場合は、南オーストラリア州で運転するためには有効な日本運転免許証とその英訳しか必要がありません。就労ビザを持つ人なら法律的に「居住者」ではなく「訪問者」ですから、その地方の運転免許証を取る必要はありません。オーストラリアは日本の運転免許に対する権限を認めているのに、なぜ日本はオーストラリアの権限を認めないのでしょうか。

 これから高知県内に住んでいる外国人が日本の運転免許証を取得することに関する経験の事例が書いてあります。

アメリカ出身:Aさん
 「日本で運転することに関して最も憤慨させられることは、1年間は問題なく運転できるのですが、その1年間が終わると実際に日本の道路で遭遇しそうにない愚かなテストを我慢しなければなりません。 テストは塀で囲まれたコースで行われました。そこではまるで足に何を履いているかが、道路を飛び出して車を大破するのと同じくらい合否に関わる問題となるようでした。失敗したら、教官はどこが間違ったか教えてくれるかもしれませんが、けれどそれは私がよけいな面倒をかけていることをはっきりさせた後しぶしぶ口を開くのです。安全交通の技術は自分で修得するしかないという意味だろう、と思っています。あるいは、自動車学校であきれるくらいたくさんお金を払ってか…そういう風に考えていますから、そうなればそういう運転学習システムは儲けるために編されているのではないかとますます信じるようになるでしょう。 結局、年休の25パーセントを使い交通費2万円以上を払わねばなりませんでした。もし山村に住んでいなかったら、とっくの昔にあきらめていました。けれど、私の住んでいるところで車を持つことは単に便利だからというだけではなく、絶対に必要なことなのです。」

アメリカ出身:Bさん
 「15年間以上運転の経験(そのうちの4年間は日本)があるので、大丈夫と思っていましたが、そんな経験では十分ではなかったようでした。最初に不合格になった後で、教官は「あなたは運転はうまいけど…」と言い、「けど」の続きに現実に関係ない自動車学校の専門規則が出てきました。 2回目の試験が終わった後、教官は私の運転技術は良いと言ってくれましたが、日本の道路はアメリカのと違うから、とも言いました。「私は4年間で青森県、鹿児島県、大阪市、名古屋市、東京都でさえ運転の経験があります。日本の道路が違うなんてことはもう分かっているよ!」と言いたかったけれども…もちろん、礼儀正しくぺこぺこし、前回の不合格の時のように、教官の時間を無駄遣いさせてしまったと謝りました。もし怒ったらその後何回も伊野町に戻ることになってしまうと知っていましたから。 3回目は教官の言うことを誤解しないように担当者を連れて行って通訳してもらいました。おかげで誤解は全然なかったにも関わらず、冗談みたいな理由によってもう一度不合格してから、歯をくいしばって自動車学校のレッスンを受けてみようと決めました。自尊心が傷ついたけれども、自分の正気を保つために教官はどんなことを求めているか認識しないといけませんでした。 方向指示器を正確にどこで出せばいいかとか、何を言うべきかとか、いつ言ったほうがいいかとか、白線の内側か外側の何センチのところを運転した方がいいとか、実際道路で運転する時にはほとんど関係がない技術を習ったりで、1時間のレッスンが過ぎました。よって、4回目の試験はまったく問題なく、教官は教則本を開けなかったほどでした。 終わってから、喜びややりとげたという気持ちはなく、これから運転免許の試験という試練に年休を使う必要がなくなったとほっとしただけでした。これらの試験があったおかげで以前よりもっと上手に運転できるようになった気はせず、なんの利益にもならなかったと思います。でも終わったので、心配せずに前の生活に戻ることができます。こういう試験は偏見だとか差別的だとかは思いません。ただやり方が間違っているのではないかと思います。最終的に、教官や日本や法律を作る人に対する悪い感情は抱いていません。伊野町から持って帰ったものというと、必要な免許証と日本人が人生のうえで経験する、要領を得ない試練や、官僚を満足させるための意味のない苦労についてのさらに深い理解とです。

イギリス出身:Cさん
 「自宅の隣に空いている駐車場が、新しい道交法がどのぐらい私に影響を与えたかの証明です。去年、そこには美しい黒の4WD車があったのに、今では、うっすらと残っているタイヤの跡と、さびたママちゃりしか残っていません。台風が来ると車の轍さえもなくなるでしょう。新しい法律によると国際運転免許証を(1年間所持した後)日本の運転免許証に変えるためには自分の国で免許を(日本に来る前の)3ヶ月以上前から持っていなければなりません。私はそうではありませんでしたので車を売りました [自動車学校代と試験代は車の価値より高かったので]。法律に則って365日運転していても、次の日起きたら急に他のドライバーにとって危険な存在になるとでも言うのでしょうか?」

カナダ出身:Dさん
 「私の困っているところは外国人が実技試験を受けなければならないという点ではありません。実技試験を受けることは意味のあることだと思います。ただ、問題はその不便さと合格するまでにばかばかしいぐらい何回も失敗しないといけないことです。受ける前に一生懸命努力しても絶対失敗すると分かっているとやる気がなくなります。そして、(通訳として)役に立つけどとても忙しい私の担当者に来てもらうよう調整するのは新たなストレスを増やすことになってしまいます。もし5回も行くのでなく1回でよければ、そんなに悪くないと思います。例えば、自国の運転免許証の和訳、書類を渡すこと、視力審査と筆記試験を3回に分けてでなく同じ日にできたらいいと思います(運転試験を合格するためには更に4回必要ですが)。」

カナダ出身:Eさん
 「私の国の出身州は日本との相互運転免許協定がありますから、実技試験を受ける必要はありません。大使館と自国の交通省に連絡したら、両方とも(実技試験を受ける必要がないということを)確認してくれました。私の出身州でなら日本人は「カウンターで」運転免許を取れるのに、日本はその協定を守っていないのではないでしょうか。」

 この道交法の改定は日本の将来の国際交流にどんな影響を与えるでしょうか。田舎に住んでいる外国人が多い高知県で自動車を運転することは単に選択肢のひとつというのではなく、必要な条件なのです。最近来た田舎に住んでいる外国人は、運転免許の実技試験を受けなければならなくなったら、(更に自動車学校に入校しないといけなくなったら)、(国際運転免許の期限が切れて)もう1年間(日本に)とどまるように考え直すでしょうか。

イギリス出身:Fさん
 「声を大にして言いたい!…道路交通法は私が(JET参加者として)再契約をするか否かの決定に大きな影響を与えています…[試験]代だけでも再契約をしないと考えるに十分でしたが、それだけではなく、ここから免許センターまで(約60km)どうやって行き来するかという実質的な問題もあります…車なしで契約しても、だれかが職場まで乗せていってくれるとは思いますが、自由を失うことは激しい苦痛で、週末になると[住む場所で]やることがないので(車がないと)とても困ります。」

カナダ出身:Gさん
 「友達から運転免許を取るための(苦労)話を聞いても、私は帰国するとは考えなかったけれども、抜け道や代わりの手段を探すようになりました。」

カナダ出身:Hさん
 「運転免許センターがもう少し考えて頂いて強制的な4回の不合格をやめるとか、(職場が)免許を取るためなら年休扱いにならない状態になるとか、日本は国際協定を守るとかなどでない限り、田舎に住んでいる外国人は一年間以上滞在しないようになると思います。」

アメリカ出身:Iさん
 「これはJETプログラムにとってもとても大きい問題で、私のような田舎町(外国人がいると文部省が誇りを持って言える所)での再契約率が低くなると思います。車がなければ私の生活はとてもとても味気ないものになってしまいます。」

補足: 2月1日からカナダの免許についても免除対象となり、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス等一部の免許の取得者のみ、学科・実技試験を免除されるようになりました。この法律の改正は最終的に全部の国を含むようになると願いましょう。

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当初オーイ!高知2003年3月27号で出版されました。
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